佐川急便はSGホールディングスグループが展開する事業の一つであり、京都市南区に本社があります。
1957(昭和32)年に設立、創業は約70年ほどの企業であり、従業員は2020年3月現在において5万6千人を超えています。
宅配便など各種輸送が主な事業内容となっており、利用したことがないという方のほうが少ないのではないでしょうか。
安全に荷物を運び、また顧客に対して満足のいくサービスを提供できるように取り組まれているだけではなく、2019年には環境に対する理念を公表して環境問題に取り組まれていることでも注目されています。
ここでは、佐川急便がどのように省エネや環境に対する取り組みを行っているのか、詳しく事例を紹介していきます。
佐川急便のエコ・省エネへの取り組みについて
一般的な企業では、「エアコンの温度設定」「クールビズ・ウォームビズ」「電源スイッチの消し忘れの管理」などの取り組みがよく見受けられます。
佐川急便においても、これらの取り組みは行われているのですが、その他にも独自の取り組みがいくつも見られます。
その取り組みのことを「3R」と呼んでおり、「リデュース」「リユース」「リサイクル」を推進しているのです。
どのような取り組みなのか、ご紹介していきたいと思います。
エコユニフォームの着用
佐川急便と言えば、配達員のユニフォームは青と白のストライプ柄が特徴でしょう。
実はあのユニフォームは、ペットボトルで作られているのをご存じでしょうか。
エコマーク認定を取得したもので、今までにリサイクルしたユニフォームを500mlのペットボトルに換算すると、2019年には147万5千本となっており、累計で約1467万本にも相当することが分かっています。
さらに、使用済みのユニフォームについても再度、製鉄燃料としてリサイクルされているのです。
佐川急便のユニフォームは、ペットボトルを原料にして作られています。
ラベルをはがしたペットボトルをきれいに水洗いし、粉砕してPETフレークにし、そこから溶かして糸にしています。
その糸を縫製して作られたものが、ユニフォームとなるのです。
ご存じの方も多いと思いますが、近年ではペットボトルのごみによる海洋汚染が世界的な問題となっています。
そこで佐川急便では、ペットボトルの資源循環のために、ユニフォームの制作に取り組まれているのです。
環境対応車の導入
佐川急便の配達で利用されている車両は、天然ガスやハイブリッド、電気を活用したトラックであり、環境に優しいものが採用されています。
このような車両のことを「環境対応車」と呼ばれていますが、佐川急便では業界に先駆けて、1990年代から導入しているのです。
2019年には導入している車両数が13,000台を突破しています、全体の車両における割合も年々増加しています。
ガソリン車やディーゼル車は、その排気ガス中に大気汚染を生じさせる窒素酸化物や粒子状物質などが含まれています。
それらは地球温暖化に大きな影響を及ぼすものであり、温室効果ガス(二酸化炭素)の排出によって地球環境を損ねてしまうのです。
佐川急便において今もっとも導入が進んでいる車両は、「ポスト新長期規制適合車」と呼ばれるものです。
排出ガス規制に対応すると同時に、燃費向上・軽量化・積載性能、環境性能に優れているトラックなのです。
サービスセンターの設置
佐川急便では、全国に約340か所のサービスセンターが設置されており、トラックを使わずに集配できるシステムを構築しています。
駅や市街地などにおいて、カートのような台車によって集配している姿を見かけたことがないでしょうか。
サービスセンターを拠点として集配しているために、人力のみで集配作業を行うことができるのです。
また、集配用電動アシスト自転車「TRIKE CARGO」も導入されています。
荷物を積むことができる電動アシスト自転車で、なんと150㎏もの荷物が積めるようになっているのです。
150㎏というと、軽自動車の1/3程度の積載量になりますので、この自動車が普及してくると、かなり環境に優しい集配になると言えるでしょう。
エコ安全ドライブ
佐川急便の集配は、環境に優しい車両を活用されているだけではなく、急発進や急ブレーキをなくし、燃料消費のロスをなくした安全や環境に優しい運転でも注目されています。
車両の安全運転や、CO2の排出を低減させる運転については、内部の指導が徹底されているのです。
近年、車両にはアイドリングストップの仕組みが標準装備されています。
しかし、佐川急便ではそのような機能が普及する前から、アイドリングストップに取り組まれています。
アイドリングストップに取り組むことで、無駄な燃料消費を防ぐことができ、温室効果ガスの排出を抑制することができます。
また、運転技術の向上の取り組みとして、毎年「ドライバーコンテスト」が開催されています。
2019年にはすでに27回に達しているコンテストです。