家電メーカー『シャープ』の技術が、このコロナ禍において注目されています。
シャープは液晶技術で注目されてきた企業であり、大阪府堺市に本社を構えています。
現在は中国企業である「鴻海精密工業(フォックスコングループ)」傘下の電機メーカーとなっています。
ちなみに、シャープはなぜ「シャープ」という社名なのかご存じでしょうか。
そうです、シャープペンシルを発明したのはシャープなのです。
1915年のことですが、当時は「金属製繰出鉛筆(早川式繰出鉛筆)」と呼ばれており、アメリカで爆発的な人気となり、そこで社名が「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」になったことが由来となっています。
世界で初めて液晶表示である電卓を開発したことがきっかけとなって、「液晶のシャープ」と注目されるようになったのです。
そんなシャープですが、現在ではプラズマクラスター技術が注目されています。
プラズマクラスターの技術はいま始まったものではありませんが、空気中の新型コロナウイルスが減少したとして、世界初の実証を示したのです。
プラズマクラスター技術で新型コロナウイルスの減少効果を実証
2020年9月、シャープはプラズマクラスター技術発表において、世界で初めて空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」の減少効果を実証したと公表しています。
日本でも有数のウイルス専門家の指導の下に実験を行った結果、プラズマクラスター技術が空気中の新型コロナウイルスを減少させることが分かったのです。
・プラズマクラスターイオンを発生させた場合の新型コロナウイルスへの影響は
プラズマクラスターを発生させた場合と発生させていない場合に試験をそれぞれ行っています。
プラズマクラスターを発生させることによって、感染性のある新型コロナウイルスの91.3%が、わずか30秒で不活化したという成績が見られました。
一定のきちんと効果のある濃度のプラズマクラスターイオンを発生させられる、またそれを維持することのできる空間を実現できるのであれば、間違いなく実空間でも効果が出せると考えられています。
飛沫感染は密閉された同一空間に存在する人が一気に感染する、非常に感染力の高い経路であると言われます。
新型コロナウイルス感染症においては、特に齢者や基礎疾患を持っている方に、重篤な呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。
今後、新型コロナウイルスと共存するためには、マスク以外の飛沫感染対策がとても重要になります。
そのような現状において、とても興味深い試験データではないでしょうか。
・プラズマクラスター技術の今後
プラズマクラスター技術における3大要素は「高い安全性」「確かな効果」「進化する技術」であると示されています。
プラズマクラスター技術で放出されているプラスとマイナスイオンは、自然界にあるものと同じであるとしています。
高い安全性データを取得しているというデータも、安心できる要素になるのではないでしょうか。
今後はさらに新型コロナウイルスの感染リスク低減に向けて、より実使用に近い条件において効果検証を進めていくということが発表されています。
新型コロナウイルス対策で付着ウイルスについては、アルコールであったり、洗剤であったり、拭いて除菌できるもので対策することができます。
しかし、空気中に浮遊しているウイルスは、拭くことができないので、マスクぐらいしか対策がないと考えられています。
そのような中で、プラズマクラスターは浮遊しているウイルスに対して効果があると、今回の検証結果によって明らかになったことは、とても大きな成果であると言えるのではないでしょうか。
プラズマクラスターとは
プラズマクラスターは、新型コロナウイルスだけではなく、「インフルエンザウイルス」「結核の感染リスク」「小児アトピー型の喘息患者の気道炎症レベル」などを低減させることができると期待されています。
そもそもプラズマクラスターとは、自然界にある水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンと同じものです。
シャープが開発した特殊な技術によって、空気中の水や酸素をイオン化し、クラスターさせることができるのです。
このイオンについては、高い安全性が確認されています。
そのため、今後も注目される技術となるのではないでしょうか。