『パナソニック』と言えば、わが国の家電製品のメーカーの中では最も知名度が高いと言っても過言ではないでしょう。
大阪府門真市に本社を構えている一部上場企業です。
もともと「松下電器産業」として発展を続け、家電製品においては「ナショナル」という商標名で提供していました。
ご存じの方も多いのではないでしょうか。
国内の電気業界においては日立、ソニーに次いで第3位となっており、家電製品のほかにも、通信機器や産業機器、また住宅設備や環境に関連する機器も登場し、多角的な事業を展開していることが分かります。
家電業界の中ではトップシェアを築いているものも多く、家電以外においても電池や太陽光発電、照明器具、ホームエレベーター、電動アシスト自転車などでシェア1位となっています。
パナソニックは省エネ家電の取り組みも積極的に行い、平成29年度には3一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する「省エネ大賞」を受賞しています。
ここでは、省エネ大賞を受賞した内容を中心に、省エネ家電の取り組みについてご紹介していきましょう。
パナソニックの地球温暖化防止に向けたCO2削減への取り組み
パナソニックは、SBTイニシアチブと呼ばれるCO2削減に取り組む企業への認定を取得して、積極的に地球環境保護に努めています。
地球温暖化が進んでいると言われていますが、その原因の一つとしてCO2(二酸化炭素)の排出があると言われます。
世界的にみると、わが国のCO2の排出量は第5位であると言われており、排出ゼロに対する取り組みが急務であると考えられています。
パナソニックにおいては「パナソニック環境ビジョン2050」を掲げ、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」を作り出すために、クリーンなエネルギーの創出や活用に努めています。
取り組みの事例として、滋賀県草津市に建設した水素ステーション「H2 Kusatsu Farm」があります。
水素ステーションとは、燃料電池自動車に搭載した燃料電離に必要な水素を、ガソリンと同じように補給できる場所になります。
「H2 Kusatsu Farm」では再生可能可能エネルギーを利用した水素を専用のフォークリフトに供給しています。
またCO2ゼロの工場づくりにも積極的で、照明のLED化、太陽光発電システム、蓄電池の利用などによって、省エネ工場を実現しています。
パナソニックが提供する店舗・オフィス用エアコンの省エネ性
パナソニックが提供している店舗・オフィス用エアコン「XEPHY6シリーズ」は、平成29年度の省エネ大賞に選ばれている商品です。
省エネ性や快適性に優れており、特に省エネ性能については業界トップクラスであると言われています。
同じパナソニックの従来品と比較しても、省エネ効果の高さを現わすAPF値がかなり改善していることが分かります。
空調の運転時間を観察していると、低負荷運転が大半を占めていることが分かります。
そのため、どの家電メーカーにおいても低負荷運転時に効率を良くすることが、省エネのためには必要であると考えられてきました。
「XEPHY6シリーズ」には、運転効率を徹底的に改善することによって、省エネ性能を高めることに成功し、しかも熱伝達率が向上されていますので、快適性にも優れています。
室外機・室内機ともに機器の性能を高め、室内機のセンサーによって快適性と省エネ性を両立できる省エネモードの機能を搭載しています。
スマートフォンによって消費電力を確認でき、消費電力の推移を確認することもできますので、省エネ意識を高めることもできるのです。
パナソニックが開発した吸収式冷凍機において消費電力が大幅に削減
パナソニックでは吸収式冷凍機「節電型ナチュラルチラーPR型」においても、平成29年度の省エネ大賞に輝いています。
ナチュラルチラー(吸収式冷凍機)とは、水を冷媒として用い、冷水や温水を作り出すといった機器になります。
自然の水を使っているために「ナチュラルチラー」と呼ばれているのです。
蒸発→吸収→再生→凝縮といった吸収式冷凍サイクルによって器内を真空状態にして、冷媒として活用する水を7℃~10℃程度で沸騰させることができます。
主に冷却水ポンプにおいて消費電力の割合が高くなっていますが、熱交換機を高性能化させ、冷却水流路の多様化させることができるようになりました。
それにより、従来モデルとの比較において、消費電力が約80%削減されることが実証されたのです。
参考:PR Times「パナソニックグループが「平成29年度 省エネ大賞」を3件受賞」