「スマートシティ」という言葉をご存じでしょうか。

「IoT(Internet of Things)」の最先端技術によって街全体のエネルギーや生活インフラが管理されていて、サービスや生活の質や効率を向上させる都市のことをいいます。

自宅のエネルギーは太陽光発電されていて、車は電気自動車、などといったイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。

医療や交通システム、インフラなどさまざまな分野に活用されているために、街全体がインターネット技術によって暮らしやすくなっていることが分かります。

普段通りの生活をしていると、このような街を「近未来の街」のように感じることがありますが、実はすでにスマートシティの着工が進んでいたり、事業が着実に前進しているということをご存じでしょうか。

今回は、実際にスマートシティに取り組む街をご紹介しながら、今後私たち住む街がどのように変化していくことになるのかお伝えいたします。

なぜスマートシティにする必要があるのか

スマートシティは日本だけで始まっているものではなく、世界においても2010年くらいから議論が始まっているものとなっています。

もちろん、この実現によって省エネが実現し、場合によっては再生可能エネルギーだけで街全体のエネルギーを支えるものになります。

しかし、それだけではなく、都市にある機能を地方でも利用することができるようになる可能性があります。

充実した行政サービスを受けることができるようになり、さらに生活に直結したあらゆるサービスにおいてもオンラインによって可能となります。

例えば、大都市にある有名な大病院の先生に、地方の片田舎から受診することができるようになります。

交通システムが整備されて、電気の無人バスによって街全体を移動することができるようにもなります。

もちろん仕事も、大都市に企業の本社が集中するようなこともなくなり、テレワークによってどこでも仕事することが可能となります。

つまり、都市部だけに人口が集中するようなことがなくなりますので、サービスの管理がしやすくなり、環境問題も解決することができるようになるのです。

企業がすすめるスマートシティ3つの事例

・トヨタのスマートシティ「ウーブン・シティ」
・ソフトバンクが進めるスマートシティ実証実験
・パナソニックのスマートシティ「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」

ここで、企業が中心となってすすめるスマートシティを3つ、事例としてお伝えいたします。

トヨタのスマートシティ「ウーブン・シティ」

自動車のトヨタが推進しているスマートシティである「ウーブン・シティ(Woven City)」が2021年に着工開始となります。

この「ウーブン・シティ」とは、2020年1月、アメリカで開催された世界最大級のエレクトロニクス見本市である「CES2020」において発表されたプロジェクトで、世界中が注目しています。

省エネ技術を活用したスマートホームでの住宅づくりはもちろんのこと、ロボットやAI技術を駆使して、あらゆる先端技術を導入した実験都市になる予定です。

参加する企業はトヨタだけではなく、NTTをはじめさまざまなパートナー企業や研究者と連携することになっており、今までなかったような新たなサービスも開発される予定になっています。

建設場所はトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場の跡地である静岡県裾野市を予定しており、広さは東京ドームの15個分、約70万㎡となっています。

初期には2000人程度の住民を想定されています。

街全体の車両は、自動運転のみが想定されており、それ以外のインフラについてはすべて地下に設置予定となっています。

建物に太陽光発電システムが設置され、環境と調和させるために、街づくりには木材が活用されることになります。

ソフトバンクが進めるスマートシティ実証実験

スマートフォンで知名度の高いソフトバンクは、東急不動産と連携を図りながらスマートシティの実証実験の計画が進んでいます。

2019年にスマートシティの構築に取り組むことを発表しています。

場所は東京都港区の竹芝地区で、この地区での建物をスマートビルにすることをはじめとして、ロボティクスやモビリティ、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、5G(第5世代移動通信システム)、ドローンなど、幅広いテクノロジーが導入される予定となっています。

上記でお伝えした、都市が抱えている問題を解決するモデルケースとなるような開発を目指しています。

パナソニックのスマートシティ「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」

パナソニックが中心的な役割を果たして造成された「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」は、街の機能がスタートしてからすでに5年以上経過しています。

神奈川県藤沢市のパナソニック工場跡地が活用されて造成され、企業だけではなく、住民や行政が一体となってまちづくりが行われたということで、世界から注目されているスマートシティとなっています。

敷地面積は東京ドーム4個分となっており、今では2000人以上が生活する街になりました。現在も増築されており、2022年以降に完成予定となっています。

上記でお伝えしているような街の機能はもちろんのことですが、住民が主体的に街づくりに参加できることが特徴的であると言えるでしょう。

子供からお年寄りまで世代をわたった交流も活発であるために、世界で注目され続けているのです。